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つれづれかんげき日記
地の乳房
劇団青年座の「地の乳房」作:水上勉、演出:宮田慶子、出演:増子倭文江(ますこしずえ)、津田真澄、野々村のんほか。青年座60周年記念第三弾としての公演。
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大正から昭和45年ころまでが芝居の舞台。作家のふるさと若狭が舞台となっている。
放蕩夫がお妾さんに生ませた子ども(男の子2人)を、その女性が亡くなったため引き取り、育てる妻。子ども達は父親には愛情が持てず、育ての母に愛情を寄せる。妻も、実子の息子と娘よりも可愛く思っている。
学校に行かずに奉公に出される兄弟。大きくなって奉公先をでたが行方知れず、実の父の葬式にもこない。
その後、兄弟の弟がなくなり、兄は義母のもとにもどり二人で一緒に暮らしだす。
平和な時間だったと思う。(夫が亡くなったあと、女性は戸主になり、急に明るくなったような気がする)
しばらくして、二人の間に男女の思いが湧いてくる。が、一線を越えるわけにはいかないと結局分かれる事になる。その後、男性は義母くらいの年齢の女性(事故で眼が見えなくなった気の毒な人)と結婚。
そして戦争がはじまるが、男性は正妻の子でないので戸籍がなく、戦争にはいかないで済むが憲兵の手が伸びて来る。しかし、実母の病気をもらっていたということで結核で亡くなる。
ここまでは、義母とそれを慕う息子の気持ちが切なく。自由がない女性、そういう時代がつらい・・
ラストは、その娘が主役というか、昭和に入り、娘の夫が亡くなったことで、育った子ども(全て男)5人と遺産相続について、田畑を処分するとかしないとかの話しになり、関電の原発開発に土地を売る方がいいとほとんどの息子達が言い始める。
ふるさとに残っている息子は百姓をつづけたい。
東京に住んでいる末っ子は、原発の恐ろしさを説く。
だが、百姓をつづけるといっている息子も、百姓だけではどうもならないので、原発で、原発の管の汗をタオルでふく仕事をしているとのこと。さりげないセリフですが、想像すると恐ろしい。若狭の人達はその後どうなっているのだろう。その地区ではがんの発生率はどうなのかしらと気になりました。
原発論議の終わりに
「大地は乳房で、食べ物を与えてくれる」というようなことばがあり
それに息子達が今はもう出ないと反発した時、母親が息子達に
「地の乳房を絞ったものでなければわからない!」「絞らなきゃ、牛だってヤギだって乳はでん。田圃に乳が出ないのは人が絞る事を忘れたから。昔胸近くまで泥に埋まって田で働いて、家に帰り赤子に乳をやりたくても絞らなきゃでなかった。そうしてお前たちを育てた!」って一喝する言葉は重い。
繁栄ととりかえたものの大きさを、あとからとりもどせないことを感じさせる。
芝居全体は、いくつものメッセージがあり、2時間40分では語りつくせないと思った。
***
帰りに伊勢丹のキハチでオムレットを購入。スイーツをほおばりながら、自宅であれこれ考えました。
う~ん、緊迫感薄い?でもどうしたらいいのか。。どうなるのだろうこの国は。
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by joi-satoimo | 2014-11-02 23:17 | 観劇
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