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つれづれかんげき日記
焼肉ドラゴン
「焼肉ドラゴン」作・演出:鄭 義信(チョン・ウィシン)
新国立劇場小劇場於
出演:申哲振、高秀喜、千葉哲也、粟田麗、占部房子、朱仁英、若松力、ほか、
まだ2月だが、おそらく私の今年のベスト1になるのではと
思ったほど、素晴らしい劇だった。カーテンコールも3回もあって、
それでも物足りないほど拍手を観客がしているように思えた。
物語の設定は1970年大阪で万国博覧会が開催されたころ、
大阪で暮らすある在日コリアンの家族の物語。
そこには、差別、政治の問題など、本当につらい背景がある。
在日コリアン家族の構成は
焼肉屋の主人(父親)とその連れ子の長女、次女、
再婚の妻(母親)とその連れ子の三女。
そして夫婦の間に生まれた長男。(中学生)
長女は、片足が怪我のため不自由で、その原因を作ったのが
恋人の男性。でもそのことと、妹がその男性をすきなこともあり
次女とその男性(在日コリアン)は結婚する、がうまくいかない・・
三女は日本人男性と不倫。
長男は進学校に通っているがいじめにあい、学校にいけない
声を失っている。
母親は心配して朝鮮学校へいかせたほうがいいという。
父親は、自分たちは故郷を捨てて(戦争のため)日本で暮らすしかない、
だとしたら耐えて乗り越えさせなければいけない、と。
しかし、この物語は世の中を批判するだけのものではなく、
そういう中でも、じっと、腰を据えて生き抜いていく力を感じる。
まっすぐでまじめな生き方に共感を覚える。
自分のことだけを考えて、利益をすぐに考える人には、この劇を観てほしいと思った。
そして自分自身もどうなのか考えさせられた。
しっかりとしたメッセージをもった涙なくては見られない作品だが、
笑いもたくさんとっているのも、さすがにウィシンさん!
役者さんもみなうまい!
2008年に初演されて、韓国、日本の演劇賞をたくさんもらった作品とのこと。
今回は待望の再演ということ。観に行って良かった!
芝居のパンフレットは量が増えてしかたないので購入しないことにしているが
終演後思わず買ってしまった。その中に新国立の芸術監督で演出家の宮田慶子氏の
ことば
「・・多種多様なものたちが混在する中で生きる未来への
勇気を、観るものの心に確かに手渡してくれます。
同じ思いを共有することが何かの糸口になるとしたら何よりも具体的な
媒体として、演劇の力があることを信じさせてくれる舞台・・」
というのに全く同感!
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by joi-satoimo | 2011-02-20 00:10 | 観劇
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