ブログトップ
つれづれかんげき日記
文楽「仮名手本忠臣蔵」
週末に社会人のための文楽楽教室を観に行きました。軽快な解説とともに今回上演された演目は
「仮名手本忠臣蔵」。12月になるとよく耳にする演目ですね。長い物語のいくつかの段の上演です。
以前、通し狂言(全幕、またはそれに近い場割りで通して上演すること)で観たのでわかりやすかったです。
特に、「塩谷判官切腹の段」「城明渡しの段」は好きなところだったので楽しみでした。
切腹のシーンでは、実際の切腹の儀式を執り行う様子が詳しく人形たちにより実現されていて、リアルで驚きました。切腹の最後の始末までも人形たちが執り行うのですが、物語の中で印象的なのは、無念の思いでなくなる主が、その無念さを訴えるところと、第一の家臣(国家老で都に出向している)の到着をまだかまだかと待っているところが涙を誘います。自分の無念を最後に伝えたいという切ない思いがあります。ここであれっと思うのは、この物語は、実際にあった吉良邸討ち入りを題材としていますが、江戸時代そんなこと書いたらお上から怒られるので、時代設定を室町時代にしているのですが、国家老という制度、室町というより江戸よね?とか、他のセリフにも、江戸を思わせる言葉があり、架空の人物や物語もいれていますが、実際の人物と似たような名前の主人公たちがいたり、当時の人々の楽しんだ気持ちが伝わってきます。
「城明渡しの段」は暗闇の中、舞台中央奥に人形が火のともった提灯をもって現れます。幻想的な感じがします。だんだんと前に来ると背景が見えてきて、とりつぶしとなった城の門が見えます。まえへまえへ、つまり城を後に歩いてくる人形。その間、浄瑠璃も何もかも音のないシーンが続きます。このとき以前見たときには最初っから最後まで、人形しか見えなかった。(それだけ夢中で引き込まれていた)それなので今回は、どのようにしているのかじっくりと観ました。人形を動かしている三人(主遣い、左遣い、足遣い)のうち、いつもは主遣い(おもづかい)の顔がみえるのですが、人形を高く上げていて、顔をあまり見せないようにしていました。なるほど、人形だけにスポットを当てるようにしていたんですね。最後にちょうちんを置き、しゃがみこんで、家紋が描かれているところを、主が切腹した小刀で切り取り、紙に包んで懐へいれ、提灯を消して置き去っていく・・セリフがないシーン。大夫さんも表に出ず、御簾のなかから、ひとこと「はつたと睨んで」と最後にいうのみなんです。本当に印象的な段です。
c0226545_22505344.jpg

[PR]
by joi-satoimo | 2009-12-12 22:58 | 観劇
<< 恋か金か銭吝嗇親父奮戦記(人形劇) 文楽「近江源氏先陣館」 >>